佐々木 雄飛さん

ビジネスコンサルタント

YUHI SASAKI

三位一体で「シミュレーション×AI」によるモノづくり変革に挑む。

新卒で大手複写機メーカーに就職。その後コンサルティング会社を経て、ビジネスコンサルタントとしてJDSCに入社。製造業向けの設計業務のAXプロジェクトを担当する。

大学ではCADやCAEによるデジタルエンジニアリング技術を研究。モノづくりを加速させるMBDの活用に興味を抱く。 

― JDSCに入社するまでの経緯を教えてください。 

新卒で複写機のメーカーに入社しました。配属されたのはMBD( Model-Based Development :製品設計において数理モデルを活用し、初期段階から仮想空間で検証を行う手法)を社内で推進する部署で、社内コンサルのような形で各部門の課題を解決していました。その時にコンサルティングの楽しさやCAE(Computer Aided Engineering :コンピュータ上でシミュレーションや解析によって製品開発の効率化を図る技術)の活用に興味を持ったのが転職のきっかけです。2社目では主に自動車業界向けのCAE活用やMBD・MBSE(Model-Based Systems Engineering:製品全体の要件をモデルを用いて体系化して全体最適を図る開発手法)に関連したコンサルティングを行いました。直近で勤めていた大手コンサルティング会社でも、製造業向けの業務プロセス改善を担当していました。 

製造業を選んだのは、大学で機械系を専攻しており、研究室ではモノづくりのデジタル化に関する研究を行っていたからです。「形を式にする=物体の形状をコンピュータ上で表す」ことをテーマにした研究室で、CADやCAEなどのデジタルエンジニアリング技術を発展させる研究をしていました。

日本を代表する光学機器メーカーでMBDを使った課題解決に携わるうち、製品評価がいまだに実機・実物に強く依存している現場の苦労を目の当たりにし、製造業におけるデジタルエンジニアリングを深く突き詰めたいと考えるようになりました。その後、MBDやMBSEのコンサルタントへと転身し、さまざまな製造業の皆様をご支援する中でその想いはさらに強まりました。 

例えば自動車業界ではSDV( Software Defined Vehicle )や自動運転に象徴されるように、製造業のモノづくりはどんどん高度化・複雑化しており、人手による従来のプロセスだけでは限界が来ていると考えています。この状況を打開するためにAIやLLM(大規模言語モデル)は今後必須になるだろうと感じていたところに、JDSCからオファーがありました。面談でのお話から、まさに自分が感じていた課題を解決できそうだと思ったのが入社の決め手です。 

複雑化する製造業のエンジニアリングチェーンをAIで効率化。

― JDSCではどのようなお仕事をしているのですか? 

主に製造業向けの業務改善、コンサルティングを担当しています。製造業の中でもエンジニアリングチェーンと呼ばれる、企画から研究開発、設計とか製造運用保守という業務プロセスの中での業務効率化について、クライアントの課題感を聞きながら提案しています。 

例えばある大手企業のプロジェクトでは、営業と設計・製造現場をつなげるAIエージェントを実装しています。営業担当者はクライアントへの提案に向けて、設計部門との仕様案相談、製造部門との生産条件すり合わせ等の様々な社内調整を行っています。この時に営業担当者が収集・管理する情報は多岐にわたっており、特に設計・製造知見の多くは暗黙知となっていて情報収集に時間を多く費やしている状態でした。こちらに対して、設計・製造知見を形式知として蓄積し、営業が必要な情報を適切に提示してくれるAIエージェントを構築しています。

また、大手モビリティメーカーでは「設計者の思考を支援するAI」を構築するプロジェクトを進めております。設計者は製品性能を追求しつつ製造成立性などの制約を満たす設計解を探索する必要があり、そこには複雑なトレードオフの調停が不可欠になります。こうした調停を行い全体最適な設計解を導き出せるのは経験豊富な熟練技術者に限られており、より複雑化するモノづくりにおいてこのような知見をいかに組織の資産として形式知化していくのかが業界共通の課題となっています。 

この課題に対して、こちらのプロジェクトではシミュレーションをAIの思考の裏付けとして活用するアプローチを推進しています。AIが工学的な根拠に基づき、トレードオフを解消するための判断材料を設計者に提示することで、誰もが高度な意思決定を行える環境を目指しています。これまでの自身の経験にJDSCが持つAIの技術力を掛け合わせることで、私が実現したいモノづくりのプロセス改革に近づけていると感じています。 

丁寧なヒアリングから見えてきた「本当の課題」。現状分析の重要性を実感する。 

―これまでのお仕事で印象的だったエピソードはありますか? 

あるプロジェクトでは、もともとのニーズは「営業担当者がクライアントから情報を収集するためのアプリケーションを作りたい」というものでしたが、営業の方十数人にヒアリングしたところ、「クライアントからの情報は十分に収集できているが、社内の情報の連携不足で手戻りが発生している」ということがわかりました。当初の課題、目的は大切にしつつも、現状分析を踏まえて本質的なゴールを提示し、双方納得しながら進められた、よい事例だったと感じています。

その経験から、今でもクライアントから提示される目的や課題は頭に入れつつ、本当の課題はどこにあるのかを常に考えるよう心がけています。 

「チーム力」がJDSCの強み。フレキシブルなワークスタイルも魅力。 

― 日々を通じて実感する、JDSCの魅力を教えてください。

チームメンバーと、お互いに近い距離・同じ視点で話せるところです。クライアントとの打ち合わせにもエンジニアやデータサイエンティストが同席します。それぞれの役割のメンバーが三位一体となって、チーム単位で動いて感覚を共有しているので、プロジェクトを進めやすいですね。

また、在宅ワークもできるので家事との両立がしやすいです。午前中に出社して午後は自宅で仕事をしたり、その逆だったり、フレキシブルに勤務しています。スーパーが混む前に買い物に行って夕飯の支度ができるのは助かりますね。 

「シミュレーション×AI」でエンジニアリングチェーンに変革をもたらしたい。 

―今後JDSCで実現したいことはありますか? 

私がJDSCで実現したいのは、人の業務を自動化・代替するだけではなく、技術者と共創するAIエージェントによるモノづくりのプロセス改革です。 

先ほどお話ししたように、現在のモノづくりは要求が複雑化しており、設計現場ではその要求を満たす現実解の探索が困難になっています。私はこの探索を一緒に試行錯誤してくれるパートナーとしてのAIを開発したいと考えています。設計者の壁打ち相手として機能し、対話を通じて熟練者の暗黙知や会社固有の設計文化を学習して共に成長していく、そんなAIを構築していきたいです。 

そのためには汎用的なAIではなく、モノづくり特有の条件や制約を深く理解したAIが不可欠だと考えており、ここで私のMBSEやMBDの知見が活かせるのではと思っています。MBSEの考え方に基づいて体系化された要件や、MBDのシミュレーションから導かれた工学的な評価結果を、AIの思考の裏付けとして活用していきます。このような「シミュレーションによる根拠の裏付け」と「自社独自の設計文化」を兼ね備えたAIエージェントにより、日本の製造業のUPGRADEに貢献していきたいです。 

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