株式会社JDSC(本社:東京都⽂京区、代表取締役:加藤エルテス聡志、以下「JDSC」)は、データサイエンスの力で「腹膜透析」の普及拡大と新サービス開発を目指すヘルスケア領域の新事業を開始し、2024年5月28日、医療情報サイト「慢性腎臓病のことなら!キド兄さん」(https://kidney3.com)を開設しました。当サイトでは、英語で腎臓を示す「Kidney(キドニー)」から命名した「キド兄さん」がナビゲーターとなり、慢性腎臓病および人工透析治療を必要としている患者およびその家族が適切な情報にアクセスし、サポートを受けられるよう支援します。JDSCは、「キド兄さん」を通じて血液透析に比べて通院回数や身体的負担の少なさなど利点が多い腹膜透析の認知拡大に努めるとともに、トラフィックデータを活用し、地域別の患者統計データの作成およびデータサイエンスを活用した新サービスの開発を目指します。
■背景
医療活動における治療方法や処方の決定は、海外では患者の状態に合わせて決定されることが一般的である一方、日本では経済性や効率性といった医療経済が優先される傾向があります。このような環境の中、慢性腎臓病の透析医療に関しても国内では血液透析が主流であり、腹膜透析の普及に遅れが生じています。
米国の慢性腎臓病および末期腎不全に関する情報を収集、分析、配信する国家データベース「United States Renal Data System」の年次報告によると、日本の末期腎不全罹患率の高さは世界で9番目であり、有病率では2位に位置しているにも関わらず、透析患者全体(腎移植を含めない)に占める腹膜透析患者の割合は2.9%とワースト3位を記録し、普及率の高い香港(69%)やメキシコ(35~46%)、ニュージーランド(30%)などと比較すると、普及の遅れが際立っています。
このような状況に対して、厚生労働省は2020年および2022年度の診療報酬改定で腹膜透析の点数を高め、普及促進を図っていますが、腹膜透析の割合はいまだ海外のレベルには達していません。これらの要因には、腹膜透析を実施できる医療機関の数が限られていることも一因ではあるものの、腹膜透析そのものの認知の低さが大きな原因であると推測されます。
「UPGRADE JAPAN」をミッションに掲げるJDSCは、全ての人が日本に生まれたからには、心身ともに健康で天寿を全うし、社会的な存在にいられるようにしたいと考えています。全ての患者に腹膜透析が適切ではなく血液透析が適する場合もあるものの、腎疾患を持つ患者やその家族に、通院回数や身体的負担の少なさなど血液透析と比べて利点が多くある腹膜透析という選択肢を提示し、治療方法の決定の一助となるべく「キド兄さん」を公開しました。
■施設検索
「キド兄さん」では、全国の人工透析設備を保有する医療施設を検索できるデータベースを提供し、患者が自分の通いやすい場所で、自分に合った治療施設や専門医を見つけやすくすることを目指しています。
AIとデータサイエンスを活用し、個社のみならず産業全体の課題解決を行うJDSCは、これまでにもヘルスケア業界における課題解決に取り組んできました。そのひとつに、2021年7月に中部電力株式会社と設立した、産官学の連携でフレイルの予防改善モデルの構築および社会実装を目指す「フレイル対策コンソーシアム」がありますが、現在では広く使われている「フレイル」という言葉が一般化する以前から、コンソーシアムの組成によって、電力データ等を用いた早期発見・早期予防など複数の取り組みを推進するとともに、認知拡大にも寄与してきました。
現在、国内では認知の低い「腹膜透析」においても、今回の「キド兄さん」の開設を皮切りに、JDSCはコンソーシアムの発想や所有する知見や技術を活用し認知向上に努めるとともに、透析の選択肢の一つとして一般化させることに貢献します。また、キド兄さんのトラフィックデータを活用し、地域別の患者統計データの作成およびデータサイエンスを活用した新サービスの開発を目指していきます。
JDSCは今後も蓄積されたデータサイエンスの知見を基に、AIや機械学習、数理最適化などの先端技術を社会実装することで、産学官や業界を問わず課題解決を推進し、日本のアップグレードを目指していきます。
以 上
■株式会社JDSCについて https://jdsc.ai/
JDSCは、物流最適化や需要予測、フレイル検知や教育など、基幹産業を中⼼とした幅広い分野で、⼀気通貫型の⾼付加価値なAIソリューションを提供しています。アルゴリズムモジュールの開発とライセンス提供事業、ITシステムの開発と運⽤事業、データサイエンスに関するビジネスマネジメント事業を行い、業界全体の課題解決にAIを活⽤し、⽇本の産業のアップグレードを⽬指しています。
《JDSCの3つの特⻑》
1. AIアルゴリズムに関する技術⾯での豊富な知⾒
2. AIによる解決策の提⽰から実⾏まで⼀気通貫で⽀援するビジネス⾯での⾼い執行能⼒
3. ⼤⼿企業との共同開発と産業横展開を両⽴する⽣産性の⾼いビジネスモデル
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