「frontconnect」について
JDSCは、帝人ヘルスケア株式会社に医薬情報担当者(MR)向けのリモートコミュニケーションツール「frontconnect」を2021年から提供しています。
「frontconnect」は、MRによる訪問の代替や補完として、医師への情報提供や各種案内など個別の動画メッセージを送信し、医師の反応や関係性を可視化することができるDXツールです。製薬業界のコンプライアンスにも対応し、低コストで即導入、即利用ができることも特長です。
今回「frontconnect」を「Fコネ」という愛称でご利用いただいている帝人ヘルスケアのMR4名さまに、具体的な活用術や、導入の効果、医師の反応などについてインタビューを行いました。
第2回目は、同社千葉中央営業所の山本 康二朗さま、高松営業所の 五味 利志継さまにお話しを伺いました。お二方とも営業所がFコネ含めて、デジタルプロモーションにポジティブで、営業所代表としてインタビューを受けていただきました。
ディテーリング環境の変化
JDSC)コロナ前後でディテーリング環境は変わりましたか?また、その中で、どのようにFコネを活用していますか。
山本)訪問規制が多くなりました。また病院の方針とは別に、ご自身の判断で面談を控える先生もいます。もう「訪問規制がないため、自由に訪問できる」という捉え方ではなくなったと感じます。
五味)コロナ前は施設ルールの範囲内で医局の前や、カンファレンスの終わりに出待ちをしていましたが、コロナ規制になってからは自由な訪問ができなくなりました。以前は、アポイントが無くても診療後にお会いできていましたが、それが難しくなってきたため、今は事前の面談アポイントやWebツールの活用が必要不可欠です。ただし、アポイントでの面談が増えたことによって、先生と腰を据えて話す機会が増えたという点はよかったと感じています。先生の動静の確認も細かくするようになったため、MR活動の精度が上がったと感じています。
Fコネの活用術
JDSC) その中でFコネはどのように活用されていますか?
山本)私は大きく4つのパターンごとに使い分けています。
①面談後のリマインド、②メールで行う事務連絡の際に、補足としてFコネを添付して、「お暇ならお目通しください」といった使い方、③日頃あまり直接の情報提供ができていない先生方に送付する使い方、④アドレスを存じ上げない先生にはQRコードにしてお渡しするといった使い方を実践しています。特に、①と②は開封率が圧倒的に高く、内容まで見ていただけている印象です。
五味)私は、医薬品のプロモーションによく使っています。内容ごとの開封率云々よりは、まずは「数をこなす」ことを心掛け、営業ツールの1つとしてできる限り活用しています。メールアドレスを教えていただいている先生はアポイントも取れますし、Web面談に応じていただけるので、どちらかと言うと、myMR君(エムスリー株式会社が提供するリモートコミュニケーションプラットフォーム)に重複して動画を送るケースが多いですね。送付する先生を敢えて選ぶこともしません。関連する動画を、自分が連絡先を把握している先生とmyMR君に登録されている先生の全員に送ります。開封率にこだわるよりは、開封数にこだわりたいと思っています。「今月は開封数が10件超えるまで送り続けよう」というような使い方をしています。そうするとお会いした時に、「見たよ」などと先生に言っていただけたり、見ていただけない時は、「先生、2ヶ月連続で動画をお送りしているのですが、開封いただけましたでしょうか」と話したりするなど、面談のツールにもなります。
山本)在宅医療機器に比べて、医薬品の情報提供だけだとお会いできない先生もいますが、QRコードを作って、“数打てば当たる”で見ていただけたこともあります。面談の機会は月に何回もあるわけではないため、面談と面談の間にリマインドとして送ることで先生に忘れられない効果があると思っています。動画には自分の顔を出すようにしています。
五味)確かに、面談と面談の間を埋めるためにはとても効果があると感じています。特にコール数がシェアの拡大に直結する製品に関しては活用できるなと思います。また、一番感じるのは、Fコネで事前にメールを送っておくことで、面談中の話題にできるため、先生との距離を縮めやすいことです。「先生、動画見てくださってありがとうございます!」や、「動画のどの辺りにご興味を持たれましたか」「覚えていただいてますか。もう一度ご説明させていただいてよろしいでしょうか」など。「せっかく見てくださったのに私の動画の撮り方が悪くてゴメンなさい」などと笑いをとりながら説明の時間をいただいています。Fコネは、営業ツールの1つになっています。また、これまで接点がなくメールアドレスを知らない先生に、myMR君に重複して動画を送ったところ、先生が開封してくださりアポイントに繋がったこともあります。「どうされました?」と聞かれたので、「先生が動画を見てくださったので御礼を言わねばと思ってアポイントを取らせていただきました」と、新しい関係が生まれました。連絡先を知っている先生、知らない先生のどちらに対しても、使い方次第で便利なツールになると感じています。
先生に見ていただくために
JDSC) 動画作成に関してはいかがですか?
五味)動画は細かく気になってしまう方で、表情が怖すぎるなとか、台本を見る回数が多いなと思ったら何度か撮り直しています。
山本)私も噛んでしまったりすると撮り直しますが、それ以外はあまり気にせず、まとめて2~3時間で何本か撮り溜めしていますね。
医師の反応
JDSC) Fコネを活用した際の医師の反応はどうでしたか。
山本)「ありがとうございました」というメールの返信があったり、医師だけでなく、看護師さんやPT(理学療法士)さん、臨床工学技師さんなどにもこまめに情報を発信していると、「勉強になります」という感想をいただいたりすることもあります。医師だけが対象という目線ではなく、様々な職種の医療関係者の方に対しても定期的な情報を発信して、面談の機会に繋げるようにしています。
五味)最初の頃は、「変なのきたよ」とか「帝人さんも始めたんだ」とか「映像と実物はけっこう違うね」などのコメントをいただきました。説明会の後に、不参加の先生に「似たような内容のFコネ送ります」と言った時は「ご丁寧にありがとうございます。見ないけどね~」と、お返事をいただいたのですが、インパクトは残せたかなと思っています。説明会を見てくださった先生にも、「今日は所々噛んでしまったので、噛んでない映像をお送りします!」などもやりました。プロモーションの機会を増やせるので良いと思います。
今後のMR活動
JDSC)今後のMR活動についてどう思われますか。
山本)必ずしも面談する必要がないという事は医療者も認識しているのではと思います。より効率的に、非対面で情報を発信するツールは必要だと思いますが、今後、人と人との関係が見直されるタイミングも来るのではと感じています。また対面も重視されてくるかなと思いつつ、様々なツールを通じて、いろいろな媒体で情報提供する世界になるのかなと思います。
五味)製薬業界では、MR数を削減したり、Web面談専任の部署を置いたり、ドラスティックに変わっている会社が多いです。急性期病院を中心にMRの訪問頻度は減っており、コロナが収束しても以前と同じようには戻らないと思います。従いまして、FコネなどのeプロモーションツールやWeb面談の活用は続いていくと思います。ただし、Fコネだけとか、Web面談だけでは、情報は届けられても医療関係者との長期的な信頼関係を築きにくいと考えます。 そのためリアルの面談が軽視されるとは思いません。仮に業界がそのような流れになったとしても、私はそのリアルな面談による関係性の構築を行っていきたいです。その人間関係作りのために、FコネやWeb面談を今後も活用していきたいと考えています。情報の提供だけに留まらない、より良い人間関係の構築のツールとして大切だと思っています。
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